「数学科と物理学科どちらも気になる!」
「化学科か生物学科で迷う」
「地球(惑星)科学科も興味あるな」
理学部に行きたいけれど学科選びで困っている人も多いのではないでしょうか?
本記事では理学部の学科と選び方を紹介していきます。
理学部に興味のある高校生はぜひ参考にしてください。
理学部の学科
まず、理学部には次の5種類の学科が存在します。
大学によってすべての学科があるとは限りませんので、注意してください。
- 数学科
- 物理学科
- 化学科
- 生物学科
- 地球(惑星)科学科
1つずつ説明していきます。
数学科
使うのは脳とコンピュータだけ。
1年生では数学以外の講義も受けますが、2・3年生はひたすら数学を勉強します。
代数学・幾何学・解析学など高校の数学とは別次元の数学です。
もはや暗号。
4年生では5人ほどの少人数に分かれて、論文を読んだり議論したりして、考える力・議論する力を養う大学が多いです。
「数学科に入ってついていけなかったらどうしよう」と悩んでいる高校生は一度本屋に行ってみてください。
本屋で代数学や幾何学の専門書を開いてみましょう。
今はわからなくても、「なんとかやっていけそうかな」と思えば大丈夫です。
物理学科
1年生では物理以外の講義も受けますが、2・3年生では量子力学・電磁気学・解析力学など、物理をみっちり学習します。
4年生になると理論系か実験系の研究室に入る大学が多いです。
理論系では実験はやらずに、紙と鉛筆で考えたり、コンピュータでシミュレーションしたりします。
実験系では実験を行いながら研究していきます。
物理学科では理論系のほうが難しく優秀な人が多い、というイメージが広がっているらしい。
物理学科は男子人気が高い(女子もいるので大丈夫ですよ)。
また、宇宙物理の研究室は人気高め。
化学科
専門的な知識は主に2年生から学んでいきます。
細かく分けると、有機化学・無機化学・生物化学・物理化学など。
そして3年生になると午前に講義、午後に実験でかなり多忙。
4年生になると分野を選んで研究室に入り、テーマを決めて研究します。
ほぼほぼ実験メイン。
物理化学や生物化学などは物理や生物と関係性が高く、わりとなんでも幅広く学べる。
「物理科か化学科か」「生物科か化学科か」で迷うならとりあえず化学っていうのもあり。
(ちなみに私は化学科です。)
生物学科
生物学科は超簡単に言ってしまうと、植物と動物の研究をします。
2・3年生で生物の専門知識、生命学・発生学・遺伝学などを学びます。
そのうえ、実験もたくさん。
より具体的には、DNAやタンパク質、細胞内の反応を学習します。
「どうやったら細胞の異変を早く察知できるか」
「まだ発見されていない植物の成長を促進する方法はないか」
などわりと想像しやすいと思います。
女子人気が高め。
薬品メーカーと共同開発している大学・研究室もある。
地球(惑星)科学科
地球や惑星について研究する。
2・3年生から専門的な知識、地球惑星科学、地球生物学、地震学など非常にさまざまなことを勉強します。
数学・物理・化学・生物・地学と幅広い分野が合わさっていて、意外となんでも屋さんです。
4年生では研究室に配属され、研究を行います。
地球(惑星)科学の特徴は、実験だけでなく調査もすることです。
実際に地質を見に行って調べます。
一番珍しい学科で、定員も少ないことが多い。
理学部の学科の選び方
5つの学科がある理学部での学科選びは迷いますよね。
高校まで数学・理科を学んできて、どちらも興味あるという人も多いでしょう。
ここでは学科を選ぶ際の基準のようなものを示していくので、少しでも参考になればと思います。
学びたいことで選ぶ
この選び方が一番おすすめです。
どれだけ就職がしやすくても、興味のないことを学び続けるのは簡単ではありません。
自分が何を学びたいのか、何に興味があるのか今一度考えてみてください。
私は高校生のとき数学が得意だったので、漠然と数学科を希望していました。
しかし中学生や小学生まで記憶をさかのぼったときに、「そういえば理科のほうが好きだった」と思い出し、数学科はやめました。
得意な教科で学科を選びがちですが、"学びたいこと"のほうが重要です。
今の自分がやりたいこと・学びたいことだけでなく、ときには過去の潜在的な意識も参考にすると気づきがあるかもしれません。
就職のしやすさで選ぶ?
これもなしではありません。
できるだけいい企業に就職したいから大学に進むという人もかなり多いはずです。
しかし、就職のしやすさを考えるなら工学部をおすすめします。
工学部の人は「社会に役立つものを作る」ということを目的としているので、企業の考え方により似ています。
理学部は「未知のものを発見する」ことがメインなので、企業の考え方にはあまり似ていません。
就職の幅は工学部に比べ狭くなります。
理学部の中で選ぶなら、化学科が比較的就職の幅が広いでしょう。
迷いがちな学科たち
ここで迷いがちな2学科の選択方法を少し紹介。
数学科と物理学科で迷う
数学科と物理学科では、数学科のほうが覚悟が必要だと感じます。
物理では「じゃあ、実際にやってみよう」とできることも多いですが、数学ではほとんどない。
この脳内のみで理解することに苦戦する人が多いです。
物理学科には理論系と実験系があるので、理論系が難しくても実験系に進むという選択肢がまだ残ります。
それぞれ向いている人の特徴を書いてみました↓
数学科向きな人↓
- 数学が好き
- 議論が好き
- 実験はなくてもいい
- 定義や概念の理解が楽しい
- 数学をもっと知りたい・考えたい
物理学科向きな人↓
- 物理が好き
- 実験も興味がある人
- 数学が得意な人
- 物事に疑問を持つ人
- なんでも深く考えることが好きな人
化学科と生物学科で迷う
これは簡単。
植物や動物に興味があれば生物学科。
興味がそんなになければ化学科。
これに尽きます。
こちらもそれぞれ向いている人の特徴を書いてみました↓
化学科向きな人↓
- 化学好き
- 実験大好き
- 物理が得意
- 幅広く学びたい
生物学科向きな人↓
- 生物好き
- 動物や植物に興味あり
- 進化に興味あり
- バイオテクノロジーに興味あり
学科を選ばずに入学できる大学も
ほとんどの大学・学部は学科を選んで入学することが多いですが、中には学科を選ばずに入学できる大学もあります。
学科選びでどうしても決断できない人におすすめです。
学科を選ばず理学部に入学するメリットとリスクがあるので紹介します。
メリット
メリットは、それぞれの学科でどのようなことを学ぶのか実際に体験ができることです。
学科が決まる前の1年生では、数学・物理・生物・化学・地学を実際に学べます。
そのため、大学での数学・理科の勉強がどのような感じなのか把握することが可能です。
また、学科が決まる前に研究室を見学すれば、将来どのような研究を行うのか知ることもできます。
学科を決めて入学することに比べ、「イメージと違った」となることが少ないですし、自分に合った学科を選べます。
リスク
リスクは、希望の学科に進めない可能性があるということ。
学科希望で定員からあふれた場合は、成績で決めることが多いです。
だから大学でまったく勉強せずサボりまくっていると希望の学科に入れないことは十分あり得ます。
逆に、相当サボっていなければほとんどの人が希望の学科に入れます。
学科を選ばず理学部に入学できる大学
学科を選ばずに理学部に入学できる大学を少し紹介します。
また、学部も選ばずに入学できる大学(東京大学や北海道大学)もありますが、今回は理学部限定にしました。
- 京都大学 71(前期)
- 名古屋大学 65(前期)
- 山形大学 53~57(前後期)
- 新潟大学 55~58(前後期)
- 愛媛大学 51~57(前後期)
- 熊本大学 56~60(前後期)
調べたところ私立大学では見当たらず、国公立大学のみとなりました。
数字は
マナビジョン |Benesseの大学・短期大学・専門学校の受験、進学情報
を参考にした偏差値です。
情報は2021.3.19現在のものです。
受験を考える際は、大学の公式ホームページで必ず確認するようにしてください。
まとめ:学科は慎重&気楽に選べばOK
本記事では理学部の学科と選び方を紹介しました。
大学で学ぶことはより専門性が高くなっていくので、慎重に選ばないとイメージとのミスマッチの可能性もあります。
しかし、学科選びを迷っている人はおそらく幅広いことに興味がある人でしょう。
そのような人はどの学科でもわりと頑張っていけると思いますので、気楽に考えることもありかもしれません。
受験までまだ時間がある場合は、後から変更もできますから仮で決めておくこともありです。
受験勉強中に何か違うなと思えば、志望学科はどんどん変えていけばOKです。