多くの人は小学1年生から高校3年生まで、同じような授業を受けて同じように勉強をしていきます。
そして同じように教育を受けているのに、なぜか勉強のできる人と勉強のできない人に分かれていきます。
差がつく理由に、次のようなことが思いつくのではないでしょうか?
- やる気のあり・なし
- 塾に行っているか・行っていないか
- そもそも頭の構造が違う
たしかにこれらも多少は要因となっているでしょう。
しかし片方が超天才というわけでもないのに、同じ学校・同じ塾に通っているにもかかわらず、成績がまったく違う生徒もいますよね。
そのような疑問について言及している本が、石田 勝紀さんの『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか』です。
そこで今回は『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか』を読んで、印象に残った3つのポイントを解説していきます。
子供を育てる親向けの本ですが、大学生の私にとってもためになる本でした。
『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか』を3つのポイントで解説
『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか』で印象に残ったポイントは次の3つです。
- 本当に勉強できる人は日常すべてが学び
- 国語ができる人・できない人の差
- パターン化ができるかできないか
一つ一つ簡単に説明していきます。
できる人は日常すべてが学び
勉強する人は主に次の3つに分かれると本書では書かれています。
- 授業中も学ばない人
- 授業中だけ学ぶ人
- 日常すべてで学ぶ人
1.の人が勉強できないのはみなさんも納得でしょう。
授業を聞いているように見えてほかごとを考えている人や、板書を写しているだけの人です。
2.は授業中だけ学ぶ人、というよりも「勉強するぞ」というときだけ学んでいる人です。
塾の時間や自習時間、宿題をする時間とかですね。
2.の人は学校で1位にはなれなくても、成績上位にはなれます。
学校で1位をとるような人はおそらく3.の人です。
日常すべてが学びの人ってどういうこと?と思うかもしれません。
椅子に座って「勉強するぞ」と思わなくても、テレビやゲーム、旅行、人との会話をしているときにも学んでいる人のことです。
例えばバスの中で参考書を開かずとも、窓の風景を見ながら学んでいます。
「あそこのラーメン屋なくなったのか、、、ラーメン屋がだめならどのような店が生き残れるのかな、住宅街だから、、、スーパーかな、でも敷地が狭いかな」
「あそこの木が枯れているな、となりの木は生き生きいているのになぜだろう?ちょっとした日当たりの違いか?近くの花のせいかな?もしくは人為的なもの?」
少し考えすぎかもしれませんが、このような感じです。
日常生活の小さな気づきに疑問をもち、日々「なぜだろう?」と考えている人は知らず知らずのうちに「考える力」を身につけています。
しかも勉強できる人のほとんどは無意識です。
そして日常で身についた「考える力」は机上での勉強に活かされます。
ほかの人と比べて「勉強するぞ」という時間にはほとんど差がないにもかかわらず、クラストップや学年トップを取ってしまうのです。
寝ているとき以外すべての学んでいるので、1.や2.の人は3.の人に勝てません。
国語ができる人・できない人の差
これは長年の謎でした。
私は今でも国語が一番の苦手科目です。
中学生・高校生のときに「国語なんて勉強しなくてもフィーリングで解けるよ」という友達と何人か出会いましたが、まったく意味がわかりませんでした笑。
国語ができる人とできない人の差は、意味を理解しながら読んでいるか、それとも字ヅラだけを追っているか、の差のようです。
国語の問題文を読んで文章の中から答えを、モノを探すように探している人は字ヅラだけを追っている人です。
たしかに私はそうでした。
対して国語ができる人は文章から答えを探すのではなく、文章を読んで考えて"意味を理解"しています。
「今日は休みの日だったので14時に起きました」という文章を読んだときに、国語ができない人は「ふーん」で終わりです。
しかし国語ができる人は「さすがに14時は遅いだろ」とか「もう少し寝るのもありだな」と、自分で文章にちょっとした返事を無意識にしているようです。
文章の意味を理解していないと返事はできないので、返事ができるということは文章を理解している証拠です。
国語が苦手な人は、文章に返事を返すような・文章にツッコミを入れるような読み方をすると、国語の捉え方が少し変わるかも知れません。
(高校のときにこの本を読んでいれば、国語の勉強がもっとラクだったかもな、、、)
パターン化ができるかできないか
勉強のできる人はパターン化が得意です。
数学の問題が10問あったときに、勉強のできる人は問題に共通点を見つけてパターン化します。
だからまた同じような問題が出てきたときに、パターンに当てはめて解くだけです。
対して、勉強のできない人は一つ一つがまったく違う問題に見えてしまいます。
すべて違う問題に見えてしまうと、また同じような問題が出てきても11問目に見えてしまうのです。
パターン化のできる人とできない人が同じ時間だけ勉強したら、成果は雲泥の差です。
パターン化できない人はすべてが個々に見えるので、全部暗記が必要となってしまいます。
パターン化ができれば勉強も少しラクになります。
国語なら「間違いやすい漢字は関連付けて覚えよう」
数学なら「こういうパターンの問題はとりあえず微分かな」
社会なら「ほかにも摂関政治をした人がいたような」
パターン化は仕事でも役立ちます。
他の部署に移ったときにすぐに成果が出せる人は、成果を出すパターンを知っている・身につけています。
パターン化ができない人が他の部署に移ったら、またイチからです。
パターン化できるようになるには、日頃から「要するにこういうことか」とまとめることが大切です。
『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか』まとめ
今回は『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか』を読んで、印象に残った3つのポイントをまとめました。
紹介したのはほんの一部です。
本書では、子どもが日常的に学ぶ人になる、親が使うといい10のマジックワードが紹介されています。
子どもを育てる人にとって参考になるのはもちろんのこと、高校生や大学生の人は本に書かれていることを自ら実行するといいと思います。
目次
第1章 同じ環境・条件なのに、なぜ"できる人"と"できない人"に分かれるのか
第2章 「学び」の3つのタイプとは?
第3章 できる人は「頭のつくり」が違うのか?
第4章 「意味が理解できる人」と「意味が理解できない人」の決定的な違い
第5章 OSをバージョンアップするアプローチ1「疑問を持たせる」
第6章 OSをバージョンアップするアプローチ2「まとめさせる」
第7章 さらにOSを強化する5つのマジックワード